はこだて街なかプロジェクト創立20周年記念書籍『はこだて たてものがたり』ウエブ版
はこだて街なかプロジェクト(略称街プロ)が創立20周年を記念して2026年3月に刊行した書籍『はこだて たてものがたり』のウエブ版を公開します。
街プロは2005年の設立以来、函館の歴史的な街並みの維持・保全へ向けてさまざまな活動を続けてきました。2015年には函館市から景観法に基づく「景観整備機構」に指定され、同年から市の委託を受けて「歴史的建造物保全調査」を開始しました。
この調査において、街プロは函館市西部地区の歴史的建造物の現況を調べ、維持修繕計画を策定し、さらに維持修繕費の概算を算出して、所有者の方々などに適正な維持修繕方法や今後の活用などについて助言しています。そして建物自体を調べるにとどまらず、委託事業とは別に街プロ独自の事業として、そこに住んだ人と建物が織りなす物語をも調査や取材を通じて掘り起こしてきました。それがこの「たてものがたり」です。
本書には、2021~2025年に街プロのホームページや道南のフリーペーパー「@h(アットエイチ)」に連載した九つの歴史的な建物をめぐる物語を収めました。併せて、函館市の都市景観行政と歴史的建造物保全調査の意義、街プロの20年に及ぶ歩みも収録しています。
九つのストーリーは、国際貿易港として開港した江戸後期から、海産物貿易や北洋漁業で栄えた明治、大正期、全国に知られる観光地となった昭和、平成期、そして急激な人口減少に直面する令和の今に及ぶ、函館の歴史のダイナミックな動きを市井の人々の目線から伝えています。建築物の紹介本とは異なる、こうした個性的な本をつくるべく、街プロの役員・会員7人でつくる出版プロジェクトが足かけ5年におよぶ編集作業を進めてきました。
本書はB5判カラー印刷74ページの非売品で、紀の國建設みらい函館市中央図書館をはじめ道南各地の公立図書館・図書室などで閲読可能です。街プロのホームページには本書の元となった9話を掲載していますが、より多くの方に全文をお読みいただけるよう、このたび本書のウエブ版を公開することといたしました。
歴史を重ねて陰影に富む函館の街並みをつくりあげてきた人々の「生きた証」とも言うべきこれらの物語は、建物そのものと同様に記録され、記憶されるべきものです。歴史的建造物が良好な状態で後世に引き継がれるとともに、人と建物の物語が長く記憶にとどめられ、市民の財産として受け継がれていくことを私たちは願っています。ぜひじっくりとお読みいただき、函館の街並みに思いを馳せていただければと存じます。