『はこだて たてものがたり』を刊行しました。

はこだて街なかプロジェクトの創立20周年を記念して制作を進めてきた書籍「はこだて たてものがたり」が完成しました。街プロの役員・会員7人でつくる出版プロジェクトが編集・制作作業に当たり、街プロが発刊したものです。
街プロは2015年に函館市から景観法に基づく「景観整備機構」に指定され、同年から市の委託を受けて「歴史的建造物保全調査」を開始しました。函館市西部地区の歴史的建造物の現況を調べ、維持修繕計画を策定し、さらに維持修繕費の概算を算出して、所有者の方々などに適正な維持修繕方法や今後の活用などについて助言しています。そして建物自体を調べるにとどまらず、そこに住んだ人と建物が織りなす物語をも、調査や取材を通じて掘り起こしてきました。それがこの「たてものがたり」です。
歴史を重ねて陰影に富む函館の街並みをつくりあげてきた人々の「生きた証」とも言うべきこれらの物語は、建物そのものと同様に記録され、記憶されるべきものです。歴史的建造物が良好な状態で後世に引き継がれるとともに、人と建物の物語が長く記憶にとどめられ、市民の財産として受け継がれていくことを私たちは願っています。
本書には、2021~2025年に街プロのホームページや道南のフリーペーパー「@h(アットエイチ)」に連載した九つの歴史的な建物をめぐる物語を収めました。併せて、函館市の都市景観行政と歴史的建造物保全調査の意義、街プロの20年の歩みも収録しています。
九つのストーリーは、国際貿易港として開港した江戸後期から、海産物貿易や北洋漁業で栄えた明治、大正期、全国に知られる観光地となった昭和、平成期、そして急激な人口減少に直面する令和の今に及ぶ、函館の歴史のダイナミックな動きを市井の人々の目線から伝えています。建築物の紹介本とは異なる、こうした個性的な本をつくるべく、出版プロジェクトが足かけ5年におよぶ編集作業を進めてきました。
B5判カラー印刷74ページの非売品で、街プロとかかわりのある全国の機関・団体・個人に寄贈しました。歴史的な建物をめぐる物語を地域の子どもたちにも知ってほしいと、函館市教育委員会を通じて市立の小・中・高校にも本書を寄贈しています。函館市中央図書館をはじめ道南各地の公立図書館・図書室、さらに国立国会図書館などにも寄贈しており、それらの施設で閲読可能です。街プロのホームページには本書の元となった9話を掲載しています。